報告 「小笠原の希少動物を守る」シンポジウム

どうぶつたちの病院が協力開催した
シンポジウム
「小笠原の希少動物を守る」
http://www19.jimdo.com/app/s9e359f90aad11aeb/p7db06d8d4031d39e/#
にご参加をいただきありがとうございました。

(社)東京都獣医師会主催のシンポジウムでありながら、動物医療関係者以外にも多数ご参加いただいたことは、世界遺産登録候補としての小笠原への関心の高まりの表れでもあり、小笠原の外来動物の具体的で実効性のある対策への期待であると受け止めています。

今後とも、どうぶつたちの病院の「野生を守る仕事」にご注目ください。

お越しいただけなかったみなさまへ、簡単ですが、プログラムに沿って報告をさせていただきます。

【開会挨拶】

 小出 充 (東京都獣医師会野生動物対策委員会・副委員長)

【趣旨説明】

 羽山 伸一 (東京都獣医師会野生動物対策委員会・委員長)
「外来種として生態系を壊しているネコに対する西表、やんばる、対馬における対策を紹介。小笠原での希少野生動物保護の実状と、東京都獣医師会の野生動物保護の取り組みを紹介し、これからの展開を議論する。」

【基調講演】

 長嶺 隆 (NPO法人どうぶつたちの病院・事務局長)
「ネコの適正飼育が希少動物を守る/希少野生動物保護の活動は、開業獣医師としてあたりまえであるペットの適正飼育を普及させることだった。」

【現状報告】

 鈴木 創 (NPO法人小笠原自然文化研究所・事務局長)
「小笠原で起こっている事/希少野生動物とネコが出会わないで済む小笠原にすることが対策の根幹である。」

 中山 隆治(環境省・小笠原自然保護官事務所・首席自然保護官)
「小笠原の世界遺産登録と外来生物問題/断固として外来種対策を進める。そのためには、多くの人の力が必要である。」

 中川 美穂子(東京都獣医師会・理事)
「東京都獣医師会の取り組み/小笠原から引っ越してきたネコを見るたび思う。ネコを受け入れることで、小笠原の野生を守っていると。」

【総括講演】

 林 良博(東京大学農学部・教授、中央環境審議会動物愛護部会長
「ヒトと動物の共存を目指して/地域の実情に根ざした対策が急務である。」

【パネル討論】

 パネリスト:長嶺隆(NPO法人どうぶつたちの病院)/鈴木創(NPO法人小笠原自然文化研究所)/中山隆治(環境省・小笠原自然保護官事務所)/中村幸一(東京都・環境局)
 コーディネーター:羽山伸一(東京都獣医師会野生動物対策委員会)
「小笠原の希少動物保護対策をどのようにすすめるか?/生態系から排除したネコを生かすことが小笠原の希少野生動物保護活動の推進力である。」

【会長挨拶】

 手塚泰文(東京都獣医師会・会長)
「東京都獣医師会は、会員病院でのネコの受け入れ、馴化を行っている。このネコたちを新しい飼い主に託すことで、さらに島からネコを受け入れ、小笠原の希少野生動物保護活動に貢献できる。協力をお願いしたい。」