小笠原諸島母島の南崎では、オナガミズナギドリやカツオドリが捕食されていることが、以前より指摘されており、2005年5月、地元NPO小笠原自然文化研究所が自動撮影などにより確認調査を行ったところ、ネコによる捕食であることが、明らかになりました。
これにより、小笠原村、東京都、林野庁、環境省がネコの緊急捕獲を協議し、小笠原自然文化研究所、母島ガイド協会有志などが25日間に4頭のネコを捕獲しました。
(社)東京都獣医師会は、2005年7月よりこの母島のネコたちを、同獣医師会野生動物対策委員の病院で1頭ずつ受け入れ、飼いネコとして飼育できるよう順化。その後、父島でアカガシラカラスバトの繁殖地を守るために捕獲されたネコなど含め、2006年8月現在、合計14頭の小笠原のネコを東京で緊急保護しています。(1頭は、新しい飼い主さんへ譲渡)
小笠原の野生生物とネコとの軋轢を解消するためには、ネコの飼い方を見直し、数を増やさず、自分のネコを家の周りだけで飼う「適正飼育」の普及が必要であることから、地元「小笠原ネコに関する連絡会議」 (注)が地元住民たちとネコの飼い方について懇談する「島ネコこん」を企画したことを受け、ネコの適正飼育の普及について実績のあるNPO法人どうぶつたちの病院は、(社)東京都獣医師会第一回小笠原派遣団とともに小笠原へ出かけ、西表・対馬・やんばるでの事例紹介を行い、行政、NPO,自然保護の活動をする人たち、ネコの飼い主さんたちと向き合って「小笠原ネコ問題」解決の一歩を踏み出しました。
(注)「小笠原ネコに関する連絡会議」
構成:環境省、林野庁、東京都、小笠原村、小笠原村教育委員会、NPO小笠原自然文化研究所
第1回小笠原派遣団2006年7月13日から18日
56時間船の旅 島では実質3泊4日の過密スケジュールでした。
参加
NPO法人 どうぶつたちの病院
杉谷 篤志(理事長)
長嶺 隆(事務局長)
中西 せつ子(監事)
濱外 晴美 加治屋 美幸(ボランテイアスタッフ)
加藤 千春(オブザーバー)
(社)東京都獣医師会
手塚 泰文(会長)
中川美穂子(担当理事)
羽山 伸一 (野生動物対策委員会委員長)
日程 小笠原ネコに関する連絡会 2回
「島ネコこん」 3回