皆さま
こんにちは、職員の太田です。
夏らしい生き物を発見したのでご紹介します。
ブログタイトルを見れば一目瞭然ですが、ツクツクボウシの幼虫です。
他のセミと比べて体色が薄くスレンダーな見た目をしていますので間違いないと思います。
虫の事に興味がなくとも、日本に住んでいれば万人が存在を知る超有名なセミです。都会でも公園などでツクツク鳴く声が聞こえていると思います。
今回、被写体になってくれたツクツクボウシの幼虫期間は1~2年でクマゼミやアブラゼミと比べると比較的期間は短く、鳴く時期も違うと言われていました。どうやら他のメジャーなセミ達よりも寒さに弱いらしく棲み分けられていたようです。しかし、最近ではヒートアイランド現象なのか温暖化なのかツクツクボウシの鳴き始める時期が変化し、アブラゼミやクマゼミと同じようなタイミングで鳴くようになってきています。
適者生存の理を全身で体現したようなツクツクボウシたちは、過去には生息していなかった北海道にも進出し始めております。逆に本土のアブラゼミは数を減らしているらしく鳴き声が聞こえなくなった地域もあるそうです。
今回発見したツクツクボウシを見ながら思いを巡らせていて不意に保全とは何ぞやと改めて考えさせられました。生き物の保全活動というと数が減った生き物を守るとストレートに考えられがちですが人間が変えてしまった環境を逆手にとって個体数や生息域を拡大させる生き物もいますので、そのような生き物はどうしていくのかまでを考えることが大切なのではないかと思います。