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野生個体の「チョビ」のこと

対馬では、梅雨が明けてから暑い日が続いています。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

さて、最近はかなたやナミの記事を多く取りあげていましたが、

今回は保護された野生個体の近況を報告したいと思います。

今年度、ヤマネコセンターでは4件のヤマネコの保護があり(7月23日時点)、

内3件は箱罠によって錯誤捕獲(※)されたものでした。

※ヤマネコ以外の動物を捕獲する目的で設置した罠に、誤ってヤマネコがかかってしまうこと。

 

農作物や家禽への被害や、生ごみ置き場を荒らされていたことを発端に、

その犯人を捕まえようと罠を設置されていました。

こういった事例は今までも多数ヤマネコセンターへ連絡があり、その都度環境省職員の方が現場を確認し、被害防止・錯誤捕獲の再発防止のためにアドバイスをされています。

 

 

 

通常、保護された野生個体は健康状態に問題がなければ即日放獣していますが、

5月30日に保護されたこちらのオスのヤマネコは、

今もヤマネコセンターにて飼育を続けています。

保護時、額や四肢に脱毛がみられましたが、今ではすっかり毛が生え、痩せ気味だった体重も程よく増えてきました。
保護時、額や四肢に脱毛がみられましたが、今ではすっかり毛が生え、痩せ気味だった体重も程よく増えてきました。

現在、環境省と(公社)日本動物園水族館協会(JAZA)とで連携して行っているツシマヤマネコの飼育下繁殖の取り組み(動物園における繁殖や知見収集、普及啓発等)において、

飼育下個体群の遺伝的な多様性を維持するため、この個体に動物園での繁殖に参加してもらう方針となったためです。

 

 

 

保護者の方は名付け親になるのをご遠慮されたことから、

飼育員からの提案で「チョビ」というニックネームをつけました。

 

動物園に移動予定の今年の秋ごろまではセンターの非公開施設で過ごしてもらう予定です。

7月8日のチョビの写真
7月8日のチョビの写真

現在は一番広い屋外ケージで生活してもらっています。リラックスして過ごしている時間も増えてきましたが、とても活発で悪戯が多いのが時折心配です。

 

 

動物園へ移動するまでの短い期間ですが、

チョビの様子も時々ブログに載せていきたいと思います!

 

蔭浦