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治療を終えたヤマネコを放獣しました

 

桜もほとんど散って、すっかり暖かくなった対馬です。

 

さて、2月8日の対馬ニュースでも取り上げましたが、昨年度末は「くくり罠」による錯誤捕獲が続出していました。

保護された3頭のうち、1頭はケガが軽く早々に山へ帰すことができましたが、

1頭は足先が壊死した影響から急激に状態が悪化し、残念ながら亡くなってしまいました。

 

そして、傷の完治に時間がかかっていた最後の1頭を、ようやく山に帰せる日が来ました! 

このヤマネコは、保護者の方に「シマト」というニックネームを付けてもらっていました。

 

放獣前日のシマト。治療の過程で背中の毛を刈ったため、こんな見た目になっています。
放獣前日のシマト。治療の過程で背中の毛を刈ったため、こんな見た目になっています。

 

 保護当時、左前足の甲と肘の内側を金属のワイヤーで擦っており、

ひどく腫れた後に表面の皮膚がドロドロと腐っていきました。

 

【注意】以下には、傷の生々しい写真が含まれます。閲覧時、苦手な方はご注意ください。

 

傷を清潔に保つため、1日~3日に1回は保定されながらバンテージを交換する日々が続きました。

シマトにとっても非常につらい時間だったと思いますが、少しずつ状態はよくなっていきました。

 

 

 傷を舐めないようにエリザベスカラー(首につけるラッパ状のカバー)を付けていたためグルーミングはできず、

排泄物で体毛が汚れてしまうため、麻酔をかけた際にシャンプーをして洗いました。

 

彼の生涯でこんなふうに体を洗われることは、きっと二度とないでしょう。
彼の生涯でこんなふうに体を洗われることは、きっと二度とないでしょう。

 

私たち飼育員や獣医の先生も、傷の完治に向けてシマトとともに戦ったこの3か月間。

忘れられない濃厚な日々でした。

 

シマトは今頃山でどうしているのかな?

もしかして1週間くらいで忘れちゃうのかな?(笑)

 

辛かった治療の日々はすっきり忘れて前向きに、草むらで日向ぼっこしたりネズミを狩ったりして

伸び伸びと過ごしてほしいと思います。