お久しぶりです!飼育員の蔭浦です。
話は数カ月前へさかのぼりますが・・・現在治療中のヤマネコについてのお話です。
5月11日、くくり罠にヤマネコがかかっているとセンターに連絡があり、
成獣オスのヤマネコが収容されました。
罠にかかっていた右前足は腐り、断脚以外に選択肢はありませんでした。
当センターでのヤマネコの断脚手術は初めてのことでした。
保護の翌日に手術が行われ、少しずつご飯を食べられるようになって状態は回復し、
今では野外のケージで過ごしています。
↑手術後、あまり食欲がない時期にはちゅーるを食べていました。
ちゅーるはヤマネコも救う…!
↑野外ケージで過ごす現在の様子。ジャンプも難なくできます!^^
通報者の方から、愛称としていただいた名前が「たんぽぽ」でした。
名前にふさわしく、野原で力強く生き抜くヤマネコになったらいいなと思います(^^)
さて、ここ最近シカ・イノシシ捕獲用のくくり罠にヤマネコが誤ってかかってしまう事例が連続して起こっています。
たった半年の間に、4頭のヤマネコがくくり罠の錯誤捕獲が原因で運ばれてきました。
また、同じくこの半年の間に前肢を欠損したヤマネコも4頭収容されており、
この欠損についても、くくり罠による錯誤捕獲が要因である可能性があります。
人の目の届かないところで、もっと被害が出ている可能性が考えられます。
【狩猟者のみなさまへ、ご協力のお願い】
少なくとも1日に1回、稼働している罠場の見回りをお願いします。
ヤマネコがかかってしまっても、故意でなければ決して罪に問われることはありません。
速やかに対馬野生生物保護センター「84―5577(はよ、ここ鳴らせ鳴らせ)」までご連絡をお願いいたします!
その場で罠から外し、放す事は絶対にしないで下さい。見た目に異常が無くとも、
数日後に必ず血流不全による足の腐敗がおこり、その後の生存を困難にします。
近年、イノシシやシカの生息数増加による自然荒廃や農作物被害が問題になっています。
これらの問題を解決する為にはくくり罠による捕獲が必要です。
一方で、くくり罠によるヤマネコの錯誤捕獲被害は、
人側のちょっとした心がけ(こまめな罠場の見回り)で減らすことができます。
どうか皆様のご協力を、お願いいたします!!