こんにちは!職員の蔭浦です。
今回は対馬野生生物保護センターで一般公開している「かなた」が行っているハズバンダリートレーニングについてご紹介します!
【ハズバンダリートレーニングとは?】 ⇒「受診動作訓練」のことを指します。
飼育下で生活するヤマネコたちの健康管理の一環として、
・給餌内容(メニュー、カロリー)の調整
・生活環境(巣箱、キャットウォークの設置など)の工夫
・体重の管理
・定期健康診断(採血、エコー等)
・ノミダニの定期駆虫
などを行っています。
長く飼育下にいるヤマネコであっても、野生動物としての気質が強いためイエネコのように触ってお世話することは難しいです。
一方で、上記のような健康管理のために頻繁に捕まえたり保定したりすることは個体にとってストレスが大きく、
その都度攻撃的になり人間側にも危険が及びます。
このようなお互いのストレスやリスクをできるだけ減らしながら、日常のケアを行うことを目指して
ハズバンダリートレーニングを導入しています。
下の写真は、体重計測を行っている様子です。毎朝、寝室(非公開スペース)の体重計の上で給餌をします。
するとかなたは「寝室の中の台の上には餌があるんだ」と学習し、寝室を開けると同時に積極的に中の台に乗ってくれるようになりました。
2019年10月にかなたがセンターに来て以降、かなたに合ったトレーニングの内容を検討し、試行錯誤をしてきました。
(以前からセンターで終生飼育している個体へトレーニングを導入していましたが、飼育担当者が変わったことや個体の性格も少しずつ異なることから、同じやり方ではうまくいかないのが現状でした・・・)
担当する私たち飼育員もトレーナーとして未熟な部分が多いため、うまく息を合わせられないことも多く、未完成のまま諦めた内容もありました。
そんな中、2023年2月よりボディタッチの練習を開始。
ノミダニ駆虫薬の塗布 と BCSチェック(ボディコンディションスコア:体の脂肪のつき具合)を目指して毎日少しずつの
トレーニングを進めてきました。まずはじりじり飼育員の座る距離を縮め、手を動かす動作を少しずつ増やし、触る回数や場所を徐々に増やしていくという、地道な作業をひたすら繰り返していきました。
その結果、、、
まずは間接的なタッチに成功
意外と触っても気にしないで食べ続けています。かつて給餌入室時に餌を持っている手を思い切り噛まれた経験がある私としては、
初めて無保定下でタッチするこのときが一番怖かったです(笑)
このままどんどんいけるか!?
本番の駆虫薬塗布
事前にシリンジに水を入れて少し滴下する練習をしてから臨んだ本番。
気にする様子はなく、一安心でした(^^)
現在はここまで触れるようになりました!!
現在のかなたの体重は5200g。背中~おしりまでしっかり肉がついているムチムチボディです。
体重の値だけはわからない情報を得られるので、やはりボディタッチは重要だと感じます。
今後もトレーニングを継続し、新しい飼育員や飼育担当者以外であっても触ることができるくらいに慣れてくれたらいいなと思います。