こんにちは!
対馬では梅や桜が咲き始め、マナヅル・ナベヅルたちの北紀行の最中です。
すっかり春めいてきましたが、まだ朝はちょっと寒いですね・・・
さて、今回はヤマネコではない野生動物のお話しです( ..)φ
島内に広く生息している ツシマテン は、(冬に限らずですが)落ち着ける場所を探して民家の屋根裏などに入ってくることがあります。
屋根裏に入るだけならいいものの、所かまわず糞尿をしてしまうため厄介者と思われることが多いです…。
対馬の暮らしには、そんな「テンとのご近所付き合い」が常に存在しています。
昨年11月にヤマネコの錯誤捕獲があったお宅でも、これまでずっとテンの屋根裏侵入に悩んでおられ、
屋根に繋がりそうな穴を塞いでみたものの効果がなかったそうです。
↓過去のブログより
冬になると増えるもの。それは・・・ - NPO法人 どうぶつたちの病院 - Conservation&Animal Welfare Trust - (jimdo.com)
今回、ヤマネコの保護を機に事情を伺い、箱罠で捕獲をせずに野生動物と共存する方法を話し合った結果、
家主さんの作業を我々がサポートするかたちで侵入被害対策を実施することになりました。
まずは忌避剤をテスト
現場周辺を見たところ屋根沿いに穴はなく、どうも床下が怪しそう…。
まずはなるべく簡単な方法で動物が来なくならないかと、最近巷で噂になっている「ヒトデ」が入った某商品を試しに設置してみることに。
しかし…!
3日後にはテンが床下に入っていく様子がカメラに写り、その後ヤマネコも来ていました。
タフな彼らは多少匂うくらいでは諦めないようです(笑)
2回目の現地調査にて
「今回は忌避剤に頼ることはできなさそうですね・・・」と話しながら床下の調査に入ってみると、怪しい穴を数か所発見!!
穴の周囲にはテンと思しき毛がついており、何度もくぐっている模様。
テンならば、ここから壁を伝って屋根裏まで上ることができるかもしれません。
家主さんと相談の上、後日資材の準備を整えてから一緒に床下の穴を塞いでみることになりました。
いざ、床下作業スタート!
作業当日、家主さんが手元を明るくするためのライトや電動工具用の電源を準備して下さり、
みんなでほふく前進しながら資材を床下へ持ち込みました。
3時間程で作業を終え、怪しそうな穴の被覆は全て完了!!
床下へ到来があっても屋根裏までは上がって来ていないことを確認するため、自動撮影カメラをセットして撤収。
これで本当に被害を防ぐことに成功したら、他のお家の侵入被害対策の参考になるかもしれません。
果たして結果はどうなるか・・・⁉
それから1ヶ月後・・・
環境省職員の方がカメラチェックと再ヒアリングに伺いました。
結果、この1ヶ月間に屋根裏へのテンの侵入はなかったとのことでした!!
床下に設置した自動撮影カメラでは、作業後も繰り返しテンが到来しているのを確認しました。
一方で、穴を塞いだ板にテンのものと思われる足跡が多数ついていたこと(上の写真)から察するに、
うまく経路を断つことができたのではと思われます。
今後も何かあれば気軽にご相談いただけるよう家主さんにお伝えし、今回の対応はひとまず終了となりました。
対馬島内でテンの侵入被害に困っているお宅は多いため、可能な範囲で今後もお手伝いができればと思います!