皆さま
こんにちは! 職員の太田です。
暦も進み9月になりましたが、皆さまの周りの暑さの方は如何でしょうか?
対馬は残念なことに一向に涼しくはならず日中の気温は30℃を超えております。
9月1日より開始されている毎年恒例のアカハラダカの渡り数カウントに参加されているマダムたちからは暑くて溶けそうだという悲鳴があがっております…
業務についても野外作業が多いステーションではどうしても効率が落ちてしまいますが、唯一夏に行って楽しい作業があります。それは池掃除…!!
ステーション内の野外ケージでは餌動物(昆虫や野鳥)やヤマネコの飲水のために池が設けられている場所があるのですが、いつの間にやら水草が大増殖し水面を覆いつくしてしまうことがあります。こうなってしまうと池の水が澱んだり、水鳥の着水場所がなくなってしまったりします。こうなってしまうと存在意義がなくなってしまうので定期的に水草の除去や清掃をします。
これは、あるケージの池なのですが池の水面をとある水草が覆いつくしてしまっています。
自分が勤務をし始めた時にはここまで広がっていなかったような気がしますが、今年は気候が良かったのか大増殖してしまいました…
大増殖してしまった水草の名は…
菱(ヒシ)です。菱餅の中に練りこんだり、忍者が追跡から逃げる時に地面に撒くマキビシの原料がとれる植物です。地域によっては減少しており幻と言われることもあるんだとか…
淡水域が少ない対馬ではあまり馴染みのない植物な気がしますが、水鳥が運んできたのでしょうか…?
浮草であり写真のように一株から複数の実をつけ、環境がマッチすると、あっという間に増えていきます。地域によって幻と言われますが、別地域では増えすぎて環境汚染を引き起こす場合もあるそうです。
なかなか難儀な水草で、このまま放置もできないので時間を見つけては水面を確保するように除去しております。
浮草ではありますが根は池底に伸びているのでひたすら手で引きはがすか、熊手のようなものでかき集めていきます。水を含むので結構な重量になり池に入りながらだと、しんどい作業になります。
写真は約1時間作業をした後の池の状態になります。なんとか池底まで伸びる根まで除去した後の写真となります。
九州北部等では食用としてヒシ農家さんが池に入りながら実を採取するらしいのですが、大変さが身に沁みました…
珍味らしいので、除去したものから実を採取しましたが、想像より多く実っていました…
これが翌年芽を出すと考えると来年も戦いは続きそうです。
実はあく抜きしてから茹でたり、炒めたりして食すようで、農家さんが育てるような改良品種のヒシと違い実が小さいので労力の割には食べる部分が少ないという話ですが、試しに少しだけ食べてみようと思います。
果たしてお味はいかに…
※放置して乾燥すると足に刺さるほど固くなるので実と本体は、分別処理しております。
9月13日 追記↓↓
あれこれとヒシの処理方法を調べたのちに食べてみました。
主菜にするほどの量はなかったので、実を茹でた後に雑炊の具にしてみました。味は若い実はソラマメのような触感と味で、熟した実は少し硬く栗や椎の実のような触感と味でした。口にうま味が広がるというような感じではありませんでしたが、素朴な味わいながらも美味しいと感じれる味でした。ただし、噂通り処理にかなりの時間と手間を要したので、それに見合うかと言われると…
何にせよ良い経験となりました!