ツルを分散?

皆さま

こんばんは! 職員の太田です。

 

表題については、なんのこっちゃっちと思われる方が多いと思います。

何故にツルを分散させるんだ? そもそも分散するほど日本にツルは生息しているのか?

このような疑問を持つ方が殆どだと思います。

 

国内のツルと言えば…

国内で唯一繁殖する北海道のタンチョウヅルをはじめ、マナヅル、ナベヅル、クロヅル、アネハヅル、ソデグロヅルなどが飛来します。

時折、海外からこれ以外の珍しいツルが飛来することもあるようですが、出会えるのは稀です。

日本国内で越冬するのはマナヅル、ナベヅルでロシア、シベリアから晩秋に渡ってきます。

 

マナヅル、ナベヅルが越冬する地域としては山口県の八代盆地、鹿児島県の出水地域が有名であり、特に出水地域では世界のナベヅルの9割、マナヅルの6割が越冬のために集まるそうです。

 

集まるだけならば良いのですが近年、鳥インフルエンザが流行しツルに感染し1,000羽以上の個体が死んでしまうという出来事が発生してしまいました。そこで、出水にツルを大集結させるのではなくツルに適した越冬地を探し、越冬するツルを分散させようという事になっているそうです。

 

話が長くなりましたが、今回はツルの分散に注力している日本生態系協会さんのお手伝いしたので、その時の光景をご紹介しよう思います

 

 

 

↑の鳥の模型はデコイと呼ばれるもので、これをツルが降り立ってほしい場所に突き立てます。首をあげているデコイは周囲を警戒しているツルを模し、首を下げているのは落穂等の餌を食べている姿を模しています。プロ曰く、警戒しているツルのデコイがある方が、ツルが安心して降りる場合もあるのだとか… また、ツルは水の張っていない田では寝ないので、湛水が必要になるそうです。

デコイを設置し、田んぼに水を張った後は、デコイに向け自動撮影カメラを設置しツルの飛来を確認していきます。

 

 

2000年代の初めにはナベヅルが2000羽近く、佐護に飛来した記録があります。毎年、数千羽の分かりはなかったようですが、それでも現在の数倍から10倍近くのツルが飛来していたようです。

何が要因となり対馬に飛来する作るが減ってしまったのでしょうか…

デコイの設置や冬期湛水をする田が増えれば戻ってくるものなのでしょうか…??

一緒に作業を行った身ですが、今後どうなるのか気になります…!