こんにちは、海です!
今回は、研修で7月23~24日に大阪の天王寺動物園で開催された、第8回野生動物保全繁殖研究会大会(保全研)に参加させていただいたので、その報告です。
そもそも保全研とは、1993年に発足した「希少動物人工繁殖研究会」を前身とし、野生動物の保全や繁殖にかかる研究や活動を行う様々な人々や組織が、技術協力や情報交換を図り、野生動物の保全繁殖活動を支援することを目的として2017年9月に設立された研究会で、私は学生時代から参加し、ポスター・口頭発表をさせていただいておりました。動物園・水族館を中心として、生息域外保全で野生動物の繁殖に取り組む方々が参加しており、ステーションで始まったツシマヤマネコの繁殖に少しでも参考になる情報が得られたら、と思い参加しました。
今回の一番興味深かったのは、ミナミシロサイの発表です。発表では、ミナミシロサイにホルモン製剤を投与することで発情を誘起するものの、交尾に至らないという課題を解決するためにされた工夫について述べられていました。野生のミナミシロサイの生態を利用して行われた取り組みの結果は、交尾には至らなかったものの、いつもより雄の反応が良かったそうです。発表を聞いて、ツシマヤマネコにおいて、やはり野生の生態を理解することが飼育下繁殖の成功率をあげるためには必要だということを改めて感じました。対馬にいるからこそ、ヤマネコたちの邪魔をせずに野生の生態について調査することができないものかと考えてしまいます。
ポスター発表では、イエネコ卵子を用いた体外成熟法について発表されている方にお話を聞くことができました。この研究は、野生ネコ科動物の死亡個体の卵子にも応用ができる可能性があり、いつか、交通事故で死亡したツシマヤマネコの卵子で新たな命につなげることができるかもしれません。もちろん、交通事故数を0にすることが一番の目標ではありますが、事故が起きて死亡してしまいました、で終わるのではなく、繋げていくことが重要だと思います。また、死亡してから回収するまでの時間が体外成熟率に大きく影響するそうで、事故にあってしまったツシマヤマネコの早期発見が大切であると認識しました。現状では、ツシマヤマネコを轢いてしまった方からの通報はあまりなく、事故にあった後のヤマネコを発見した方が通報してくださっています。すぐに通報することで、命が助かる場合もあるかもしれません。また、死亡してしまっても早期に死体を回収することで次に繋げることができるかもしれない、ということを私たちは根気強く伝えていかなくてはならないと感じました。
発表がすべて終わった後は、施設見学をさせていただきました。いくつか候補があったのですが、私は仮チンパンジー舎の見学に参加しました。天王寺動物園のチンパンジーと聞いて、思い出すことがある方もいらっしゃると思いますが、当時のことについてお聞きすることができました。事故が起きてしまった原因、起きてしまった後の対処、再発防止等々、お話を聞きながら、自分の飼育や施設について考えました。野生動物を飼育している以上、絶対に起こしてはならない事故であることは間違いありませんが、時折、想像もつかないような身体能力を発揮する野生動物を相手にすることはこういうことなのだと身が引き締まる思いでした。
また、JAZAのツシマヤマネコ関係者にも数名お会いすることができました。飼育下での繁殖事例を参考にさせていただきながら、来年度以降のステーションの繁殖に取り組んでいきます。
おまけ
フェリーで博多へ移動中、壱岐周辺で様々な生き物の写真を撮影出来ました!
まずはトビウオです。フェリーから逃げるように水面を飛んでいました。
そんなトビウオを狙う鳥たちもいました。カツオドリがトビウオを捕まえる瞬間を近くで見ることができ、感動しました。
最後は、写真だとわかりづらいのですが、カジキを見ることができました!遠くでバシャバシャと飛び跳ねる音がしたので、撮影してみたところ、なんとカジキが!初めて実物を見て、ほんとにいるんだ…と思いました(笑)
フェリーは時間はかかりますが、陸ではめったに見ることができない生き物を目にすることができるのでおすすめです!






